いつかはゆかし利用者に救いはあるか
先日、こんなの書いたんですよ。
「投資の運用実態はあるようなんで」ということでどうでもよさそうとか思ったら、どうもそうはいかないようです。
投資実態があったとして、その投資をした人(いつかはゆかし利用者)はその投資を継続して、本当にそれで良いのか、よかったねで終わるんかということですよ。
結局、行政処分が行われるようですが、
- アブラハム業務停止へ 金融庁検討、監視委が勧告
金融庁は投資助言大手のアブラハム・プライベートバンク(PB、東京・港)に6カ月以内の業務停止命令を出す方向で最終調整に入った。証券取引等監視委員会が3日、無登録で金融商品を販売していたなどと正式に行政処分を勧告。反論していたアブラハムも同日夜、監視委の勧告を受け入れる方針を公表した。
- アブラハム・プライベートバンク株式会社に対する検査結果に基づく勧告について(証券取引等監視委員会)
当社の業務の実態及び広告の適切性を検証したところ、以下のとおり、法令違反の事実が認められた。
- (1)無登録で海外ファンドの募集又は私募の取扱いを行っている状況
- (2)著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為
- (3)顧客の利益に追加するため財産上の利益を提供する行為
全面的に違法状態ということになりそうです。
会社の存続すら左右しかねないこの事態、サービスをそのまま継続して利用して 大丈夫かと思うのは当然のことです。
しかし、いつかはゆかしをやめようとしても、投資したお金は帰ってこないという状態にあるようです。
なぜなら、投資させたファンドは、最初の2年分は途中解約しても返金はない契約になっており、騙されたからやめますといっても、ファンドを運営する会社は善意の第三者であり、返金に応ずる義務はない。ということになる算段が高い。
だから彼らは悪びれもせずこう言い放つ
現在、アブラハム行政処分の報道が出た後も、お客様の解約は非常にわずかです。当社に対する期待が高いのを感じております。その責任を最後まで引き受けたいと私は強く思っており、来週の金融庁で開かれる聴聞会においては、既存の投資家の利益が保護されるような行政処分にして欲しい旨を陳情する予定です。
現在、既存のお客様の資産を守ることを最優先で当局と折衝しております。
引き続きご愛顧いただきます様、宜しくお願い申し上げます。
やめるかどうか悩まざるをえないのをわかってて、引き続きよろしくwwwってことですね。
いつかはゆかしで「1億円は貯められる。月5万円の積立で。」と言ったな、あれは嘘だ
かといって、継続しても当初の目論見通りには行かない。30年間の継続した契約で、年10%の利率になる保証などはなく、マイナスになる可能性すらある上に、延々と手数料を彼らアブラハム社にウマウマされ続けることになる。
いろんなブログや掲示板で、あの目論見では手数料を計上していないだの、最後の返金時に税金で持ってかれるとか、年利10%を出し続けるファンドの運営の困難さを指摘されてきている。
大体、30年後もそのファンドあるんかよという根本からちゃぶ台をひっくり返す疑問もあるわけで。
当のアブラハム社長の高岡もブログでなお、これは過去10年間の平均リターン実績であり、将来この数字が保証されているわけではありません。ですから将来絶対に10%以上回ると思う方は、絶対に「いつかはゆかし」に入会しないで欲しいと思っています。
などと嘲っていたりするわけだ。
そんなもんできっこないよと自覚があっても、あの「1億円は貯められる。月5万円の積立で。」という宣伝を続け、30年で1億円積立できるとしたシミュレーションを掲示し続ける彼らには、いつかはゆかしの利用者に対する誠実さなど欠片も有りはしないのだ。優良誤認を誘う宣伝を平気で行い、嘘があっても見抜けないバカが悪いと言わんばかりである。
つまり彼らの言い分を要約するとこうである。「騙される奴が悪いんだよ」馬鹿どもを騙して何が悪いと言わんばかりである。リアルライアーゲームかこの世界は。
いつかは返金されるといいね
勧告では「無登録で海外ファンドの募集又は私募の取扱いを行っている状況」とされており、ファンドの販売の助言だけではなく、募集にも主体性をもっていると認定されているわけだ。その上で「著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為」と認定されている。
つまり、いつかはゆかし利用者から、違法な海外ファンド募集且つ事実誤認広告による不当な契約であったとして、契約を解除され、損害賠償請求がされるのではないか。
海外ファンドからアブラハム関係の会社がもらってたキックバック分くらいは取り返せるかもしれないけど、請求しても素直に満額払うとは思えないので、消費者庁に訴えたり被害者団体でもつくってまとめて弁護士雇って訴訟するなどの今後の展開が想定される。
とはいえ、アブラハム社の関係者が被害者用掲示板を開設して動向を探ったりとか、被害者を装って被害者団体を引っ掻き回したりとか、そういうことを警戒して被害者団体の設立や訴訟に時間がかかってるうちに、国税が査察に入って残ってたキックバックを重加算税で持ってかれちゃうなんてシナリオもありうるんじゃないかと、どっかの掲示板に書いてあったなぁ。本当かどうかは知らんけど。
アブラハム社のいまのゆかし
いつかはゆかしのトップページの宣伝文句は今はこのようになっている。
1億円を貯めよう。月5万円の積立で。
まるで「ほら、確定的なことは言ってないから虚偽じゃないよね」と言わんばかりだ。いや、優良誤認は変わらないわけで、シミュレーションもまだあるし。この期に及んで、証券取引等監視委員会や金融庁、そして、騙されてしまったいつかはゆかしの利用者に対する誠意がこれというのも感服する次第だ。
さらに、ページの下部に未だに「法令に則った投資助言業の運営」と謳っているわけだが、それが今回の勧告でまぎれもない虚偽であると認定されたのではなかったか。ここはいっその事「法令に則らない投資助言業だけでない運営」と正直に掲示してはいかがか。
新規入会の一時停止についてとかプレスリリースをしているが、一時で終わるんでしょうか停止は。それも虚偽になったりするのではないですかなどというのは、虚言を弄し続けてきた彼らに対しては当然の疑問だと思うのですが。どうでしょう。
そういやアブラハム社は、海外ファンド救済センターなるものも開設していたが、静かに姿を消したようですね(平成25年10月9日時点)。
今回の件でこれを見つけた時、いつかはゆかしの利用者専用のケツの毛まで引っこ抜くサービスでも始めたのかと思ったのですが、開設は約1年前。今回の件でようやく役に立つときが来たというのに、閉鎖とはどういうことか。
閉鎖に関してプレスリリースもなければ、お知らせの一つもない。未だにアブラハム社のサイトには所々にバナーが残っているが、リンクは全てアブラハム・プライベートバンクのトップページに転送されている。どうなっちゃったの説明も無しに、そんなことでは信頼を無くしてしまいますよ。や、無いものは無くしようがないのでしょうが。
信頼性皆無投資助言業という新しいビジネスモデルは成立しうるのか
さて、今回の件でアブラハム社は、実に多くの虚偽や誤認を誘発する言動を繰り返していることが世の中に広まったわけだ。
もはや何を言っても信頼されることはなく、本当だろうか、事実を誤認させようとしていないか、と疑わざるを得ない状況にある。
そんな彼らの助言サービスを今後も利用しようという奇特な人々は現れるのだろうか。実に興味深いことだ。
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