購入機器・資材(その1)
ガンマ線ディテクタとそのドライバ
ガンマ線スペクトロメトリを行うことを目的にeBayで以下の品を購入した。(2011/12/12に注文、同20日に到着)
これは、1インチNaIシンチレーターとそのドライバーのセットで、シンチレーターは少量の試料を測定しやすいように、試験管をセットする穴が開いており、NaI結晶はそれを囲うような形になっているらしい。そのためNaI結晶が薄く低エネルギーのガンマ線やX線の感度は良好だが、高エネルギー(700 keV以上)のガンマ線に対する感度が低いようだ。試料の測定にはバックグラウンドのガンマ線遮蔽が必要とのこと。
PC
場合によって持ち出しての測定も考えていたので、専用とするPCを導入することとした。
- Acer ASPIRE one D257-N71B/KF MSオフィス2年ライセンス付で\19,800
安ッ!ジャンパラ新宿店で購入したミニノート。いわゆるネットブックというやつ。壁紙も変えられないWindows7 Starter搭載である。もちろん変えられるように修正。メインメモリを1GBから2GBに換装(\500位)。スペクトルを取得するためのソフトウェアであるPRAの設定画面が縦長で、画面内に操作に必要なボタンが表示されないという事態になったが、タスクバーを隠すことで対応できた。安かったのでかなり満足。
放射線源
シンチレーターはガンマ線のパルス一つひとつのエネルギーをパルス高で出力することが出来るが、そのパルス高とエネルギーを関連付ける、いわゆるエネルギー校正をする必要がある。エネルギー校正のためには、核種が判明していてガンマ線を放出する線源が必要であるので、以下の品を用意した。
- ランタンのマントル CAPTAIN STAG M-7910(放射性物質であるトリウム含有)
- 味の素のやさしお(カリウム含有のため一定の40Kを含む)
本当ならしっかりと校正してある標準線源があったほうがいいんだろうが、その後の始末に困るようなものを入手するのもどうかと思うので、入手が困難でなく、また、廃棄も困難でないものを用意した。
マントルには放射性物質であるトリウムが含有してあるものがある。トリウムの崩壊に伴いトリウム系列の核種から様々なガンマ線が放出されており、複数のスペクトルのピークが確認できる。結構くっきりしててわかりやすいが、どのピークがどの核種なのかがよくわからない。ひょっとしてうちのシンチレータはパルスピーク長とエネルギーが単純に比例関係ではないのだろうか。
参考:Thorium lantern mantle spectrum
40Kは1460 keVのガンマ線を放出するが、シンチレーターのエネルギー感度特性ゆえか、遮蔽がないためか、環境放射線にまぎれてそのピークはまったく確認できない。早く遮蔽環境を作らなくては……。
また、汚染土壌の放射性セシウム(134Csと137Cs)を利用してエネルギー校正をすることも考えているが、幸いなことに身の回りの土壌は余り汚染されていないので、もっと汚染されている土壌を採取してこないと使えない。
放射線遮蔽資材
試料の測定を行う場合、環境中の放射線を遮蔽して試料からの放射線と区別することが出来るようにしなければならない。ということで、放射線の遮蔽用資材を購入。
- ウォータータンク 20L WAT-20L(余り効果的ではない)
ペットボトルに水を入れて並べることで空間放射線量率を半分に出来たという話もあったので、もっと分厚い30cm厚であれば、更なる遮蔽ができると期待したが、環境ガンマ線をパルス数で2割くらいしか遮蔽できてない。
やはり、鉛レンガを購入しなければならないだろう。
試料容器
シンチレーターが試験管サイズの試料容器に対応しているので以下の品を購入。
- スクリュー管 5 mL(外径16.5 mm)
東急ハンズで購入。穴のサイズが重要である。大きすぎる容器は穴に入らない。というか色々買ったが入らなかった。小は大を兼ねるが、大は小を兼ねない。小さすぎる容器では試料が少なくなり、ピークが小さくなり検出限界が上がるかもしれない。ということでジャストサイズが望ましい。
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