コンプライアンス不況の原因はボクらにないと主張したい建築業界の腐った考え
先日に引き続いて、ゴーログで、建設業界は悪くない、悪いのは官だとのご主張の模様。
- 週刊!木村剛 powered by ココログ: [ゴーログ] 建築基準法改悪:コンプライアンス不況が日本を滅ぼす
本当に今後が心配です。私は、建築基準法の改悪のように、「コンプライアンス」の名の下に、現状に適合していない法制度を無理矢理導入してしまうことによって、日本経済が不必要に萎縮してしまうことを、「コンプライアンス不況」と名付けて警告しています。
コンプライアンス不況の原因は、「自らの責任を業者サイドに押し付けてしまいたい」という霞ヶ関の思惑に乗っかって、経済の現状を熟知しないまま、遵守することが難しいルールを押し付けることによって生じます。わかりやすい例え話でいうと、「高速道路における自動車事故を未然に防止するために、最高時速を30キロにする」という馬鹿げたルールを作ってしまうということです。
非現実的な例え話――「高速道路における自動車事故を未然に防止するために、最高時速を30キロにする」という馬鹿げたルール
――を提示して非難しているが、そんな馬鹿げたルールと改正建築基準法が同等だとする根拠はどこにも見当たりません。改正建築基準法は「高速道路における自動車事故を未然に防止するために、最高時速を80キロにする」程度であって、今までが80キロ以上出していたのが現実に即しているのだから80キロ以上好きなように出せるようにすべきだという例えの方が現実にあっているように思えます。
ところで、なんで建築の偽装の責任が官にあるという話になってしまうんでしょうね。建築確認とか法改正まではほとんど官でやっていなかったわけで、なんで官が作っているわけでも検査したわけでもない建物の偽装や不出来の責任を官が負わねばならないのかが、まったく理解できないところです。
法律の仕組みやルールの出来がいい加減だから偽装し放題なんだと、だから建築業界は悪くないよ。悪いのはちゃんとしたルールを作らない官にあるよ。って論法にしたのは、建築業界やマスコミ、政治屋の方々なんで、その論法で来られたら、官としては偽装できないルールにしちゃうのは当然のことのように思えます。自分のやってないことや対応可能な範囲を超えたことの責任なんか誰でも負いたくないものです。
法の隙を突いて偽装したのは、偽装した奴が悪いわけで、何でこんなわけわからん話になってしまったかの原因をもう少し考えてみた方が良いんじゃないかと。法令に書いてないから好き放題っていう業界の腐った体質は華麗にスルーですか。
法で具体的に書いてなくてもその法令の目的、社会的規範に基づいて行動するのが正しいコンプライアンスなんで、そういった正しいコンプライアンスが出来てないのが常態化してるからといって、それでいいわけじゃない。建築業界の自浄作用が無さ過ぎるから法改正まで至ったことを業界の人々はもう少し噛み締めるべきではないかと。
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