放射性物質測定用遮蔽体の構造

鉛ブロックと木材でつくる遮蔽体

以前書いた放射性物質測定用遮蔽体と試料容器についてで、詳細な構造図はまた今度と書いたまま放置してたが、別プロジェクトがひと段落ついたので掲載する。

放射線を遮蔽するのは鉛ブロックで、木材は構造を保つためのスペーサーなので、別に木材じゃなくてもいいです。

1インチシンチレーターを使って測定する場合、おおむね全周囲5 cm厚の鉛の遮蔽体とするには、多分これが最小構造だと思う。

使った資材や、写真は放射性物質測定用遮蔽体と試料容器についてを参照のこと。

側面図
側面図

横から見るとこんな感じ。蓋の10 cmブロックの下に、ケーブル配線用のスペーサーとして木切れが1 cmの厚さで敷いてあり、その下に20 cmブロックが4つ、遮蔽空間を囲むように立っている。ブロックが倒れないように、木の板で足元が囲われている。

上面図
上面図

蓋の10 cmブロックとスペーサーの木切れをはずして上から見るとこんな感じである。

20 cmブロックの組み合わせ
20 cmブロックの組み合わせ

5 mmずらして組み合わせることで遮蔽空間のサイズを調整している。中央の空白が遮蔽空間になる。もっとも鉛の厚さが薄い部分は45 mmになるが、1インチシンチレーターからはおおむね50 mm以上の厚みを常に確保された形となる。なぜ内径55 mmにしたかは、前述のとおりである。

側面から囲いの板を除いた図
側面から囲いの板を除いた図

20 cmブロックの下は、5 cmの木切れ層とその底に10 cmブロックの層がある。

底部の図
底部図

10 cmブロックを囲うように木切れを配置している。不ぞろいなのは、適当な木切れを使ったため。要は上部構造物の足になっていればいいので、これで問題はない。

鉛ブロックとプローブとシンチレーターの配置
シンチレーターと遮蔽体のジオメトリ

鉛ブロックとシンチレーターのジオメトリを考えてみよう。赤色がシンチレーターである。木切れは消してある。横方向は50 mm厚の遮蔽を確保しているが、シンチレーターの角から20 cmブロックの角をめがけて斜め方向に直線を引いてみると、蓋や底はもっとも薄い部分が50 mm厚に不足する。蓋や底にはもう少し大きいブロックがほしいところだ。できれば、15 cm×15 cm×5 cm のものがベストだが、特注になってしまうような気がするので、まあ良しとすべきか。

今後の予定というか

いずれ、銅板とアクリル板で、鉛由来の放射線対策をするつもり。と、これで何度書いたろうか。既に銅板は買っているが、加工するのがめんどくさい。

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